「添加物を使用しない」理由

世の中には、事情があって添加物を避けている人たちがいます。オシャレ感覚で無添加・自然食品を志向する人もいますが、切実に添加物やアレルギー物質を避けなければ生活できない人たちがいることを、PACAFARMを始めてから徐々に意識するようになりました。普通にみなが食べているものでも、食べると身体が悪いほうに反応してしまう人、そういうお客様にも親切でありたいという想いから、PACAFARMでは可能な限りトレース可能なオーガニック食材を使用するポリシーに改定しました。

当初、PACAFARM DELICATESSENでは、ペーハー調整にクエン酸を使っていました。クエン酸を用いることで、雑菌の繁殖を抑え内容物の腐敗を防ぐ効果があるからです(保健所の指導どおり)。そもそもクエン酸はデンプンを発酵させたもので、レモンなどの果実などに含まれている成分だから問題ないと思っていました。しかし調べてみますと、巷にあるクエン酸の多くは精製過程で多くの化学薬品を用いており、すでに自然物ではない。それでも保存料のような「合成添加物に比べればぜんぜんましだ」という判断で使っていたわけですが、その有機JASでも使用が認められているクエン酸でさえも、食べると体調を悪くする人がいることを知ったのです。同時に、知人に脳に障害のある人がいて「白砂糖を食べると脳波に異常が出る」と言っていたのを思い出しました。その人はタバコをふかしてスターバックスコーヒーをすする様な女性でしたが、こと白砂糖にだけは厳しく摂取を避けていたのが印象的でした。白砂糖も精製段階でさまざまな化学薬品を使っていて、おそらく精製過程で使った化学薬品の残留物か何かが彼女の脳に悪い影響を与えているのだと推測します。他人の体のことですからあまり質問することもできず、明確な理由はわかりませんが。

ある日、自然食品店のオーナーさんに「グラニュ糖を使っているならどの商品も信用できない(超訳)」といったようなことを指摘されて、なるほどPACAFARMが「まあいいだろう」とグラニュ糖を使ったばかりに、私たちの無農薬やアンチ除草剤の姿勢すらも疑われることもある、と判りました。なぜ疑われるのか、それは精製白砂糖を食べて調子が悪くなる人たちを考慮していない「不親切さ」があるからでしょう。みずから『健康いちじく農園』とまで謳っているのに、農薬や除草剤のことばかりに気をとられて自画自賛、食品加工の段階で「健康」を突き詰めていないことをご指摘いただいたのだと思っています。困っている人、嫌がっている人、そういう人たちに「善い商品」を提供していきたい、そう思っているのですから徹底しなければ、私たちは嘘つきと同じです。

無添加ポリシーへ改定するにあたり「できるのか?」という不安はありましたが、有機JASオーガニックシュガーもグラニュ糖と値段が何倍も違わないですし(遺伝子組み換え甜菜などを避けるので選択肢は多くないのですが)、クエン酸も一般添加物ではなく自然栽培レモン果汁などを使うことでペーハー調整できることも調べていくうちに見えてきて、いまでは「気づいてよかった」と感じています。「健康イチジク」だの「無農薬」だのと言っても語るに落ちるところでした。いまはとにかく農薬も添加物も使わずに、最初の本心「食べる側」の立場で営農しようという考えで「添加物は一切使用しない」と決めました。単純に「添加物が体に悪いから」ではなく「体に悪い反応が出る人がいる」から添加物を使用しないというわけです。まだまだ見落としていることがあるかもしれませんが、「健康」を標榜したからには誰もが納得する健康志向の農園を目指します。