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2019年のニンニク

ニンニクは農薬を使わないと栽培できないと思っている生産農家も多いですが、ここ阿蘇に限ってはクスリを使わずとも病気や害虫にやられたことはまったくありません。栽培を始めたころは(阿蘇の特殊な気候の条件の見極めができず)播種のタイミングがつかめなかったり、収穫の時期を理解していなかったことなどで苦労しましたが、いまではもうバッチリ、うまさと見た目の最大限を追求できるようになりました。

熊本県阿蘇は「九州だから暖かいに違いない」という思い込みを軽く裏切ってくれる、南の東北、つまり寒冷地です。夏はそこそこ30度以上になることもありますが、冬場は「最高気温が氷点下」の日も普通にあります。そんな気候ですからニンニクが育つ秋→春の期間の夜は極寒、日中はそこそこヒンヤリの気温サイクルを繰り返し、ニンニクは寒暖差にさらされて厳しく成長します。しかも青森のように雪が積もらないので、ニンニクは極寒に耐えるべく茎や葉に糖分を溜め込んで越冬します。この無慈悲な寒暖差が、ぬくぬく地方のニンニクとは一線を画す味を生み出し「香りの引き締まり具合」が微妙に優れたニンニクを生産できるのだと思います。

とにかく、この「寒さ」のおかげか病気にもかかりにくく、成長サイクルこそよそとは違いますが、タイミングを見極められるようになると、かなり高品質なニンニクが完成します。私はこのニンニクのことを「阿蘇ニンニク」と勝手に名づけて、なんとなく普及すれば良いなと思っています(一説には池波正太郎か誰かグルメ作家が「阿蘇のニンニクがうまい」と大昔に随筆を書いていたらしい)。農業環境の厳しい阿蘇には有機無農薬ニンニク栽培は非常に適していると思っているので、もっと阿蘇ニンニク(無農薬有機)の生産者が増えてくれると嬉しいのが本音です。

ほんとうはPACAFARMで機械化して大規模に阿蘇ニンニク栽培をしてもいいのかな、という気持ちもないわけではないのですが、その一方で目の届く範囲の小規模栽培を志向している面もありまして、結果的にうちは拡大とは逆に昨年からニンニク栽培を縮小することになりました。天下取りは、よそ様にお任せします。ということで、今年のPACAFARM謹製・阿蘇ニンニク販売は去年よりも量が少ない予定なので、5月ころ新ニンニクをお店で見かけたら即ゲットしてくださいね。美味しいですよ! ちなみに、この阿蘇ニンニクを使用した天日干し黒ニンニクは好評発売中、健康マニアの皆様にもおすすめです。