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きぬかつぎ(里芋)

里芋栽培にはいろいろな作型があるのですが、私のやり方はマルチビニールも使わず溝を掘って元肥と種芋を交互に並べていくジャガイモ式の栽培方法でやっています。この栽培の利点は、うねたてマルチ張りの工程が不要で、土寄せと同時にタイミングよくかつ絶妙な施肥感で追肥できることにあります。いっぽう欠点はマルチをしないので、手作業で雑草を定期的に取ってやらないとなりません・・・夏の炎天下にこの中腰作業は、ほとんど独裁国家の懲役刑並みの過酷労働です。しかし、手間をかけた分はしっかり美味しさで応えてくれるのが植物ですから、いわずもがな里芋もこの作型が一番美味しいと思っています。

というわけで本当のところ今年は里芋を栽培しないつもりだったのですが、農業大学校時代の同級生でもある西原村の有機農家さんがとても良い方で「そんなこと言わずに栽培しなっせ」と有機種芋をたくさん分けてくれたので、なんだかんだ本年も里芋栽培をしていたというわけです。今年は農繁期に家庭の事情(病気)で多忙を極めましたが、どうにか管理をしきったかな。栽培しているときには苦しく、不満も多い里芋栽培でしたが、こうして収穫してみるとやっぱり嬉しいです。それに味を追求した栽培だけに、泥臭くなく美味しい。

石川早生という種類の里芋で、関東では「きぬかつぎ」という蒸して食べるのが小粋な高級品ですが、こちら熊本では里芋といえば「煮るもの」と相場が決まっているようで、蒸したりせず「おでんの具にする」と聞いたときには文化の違いを感じたものでした。里芋のおでん・・・それって、ただの里芋汁じゃん。まあ、ことあるごとに「里芋を蒸して、きぬかつぎ」と吹聴してまわってきたおかげか、ちかいうちに「きぬかつぎ」名のパッケージ商品が九州圏で販売される予定です(私のビジネスではありませんが)。

写真は、規格外の廃棄里芋を自家消費で「きぬかつぎ」にしたところです。規格外でも、味は高級料亭に負けません。塩をつけて食べます。これにうまい日本酒があれば、なお良い感じです。贅沢。